茶室の小型化ということ

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茶室の小型化というこの主題については利休以前にも珠光、紹鴎という先達が試みたことがあり、どちらも4畳半にしたところで止まっていた。というのも、当時の座敷において面談する相手との対面距離というものがネックになっていたように思える。

人の周囲には目に見えないその人固有の領域があり、他者がそこへ入ってくると緊張を伴う距離感が無意識のうちに設定されてくることは、みな経験していることである。これはいまの心理学でいう”対人距離”が抱える問題で、多少の個人差はあろうが、研究者によれば、相手までの距離と心理の間には共通した平均値があるらしい。

二畳座敷で対面すると、主客は1メートルの距離で向かい合うことになるが、東大の西出氏の成果をお借りして言えば、この距離0.51.5メートルは「会話域」という分類で、会話することが強制であるような距離圧力を受ける、会話なしではいられない、若しくは会話がないなら何らかのそこに居る理由がなければいられない距離、だという。強い緊張から何らかの会話をせざるを得ないと感じる対人距離なのだ。

 

紹鴎が躊躇し、有楽が見限り、利休が乗り越えることにこだわり続けたのがこれだったのだ。

茶室の小型化の作業とは、建築造形以前にこの対面距離が生む葛藤をどう処理するかを考えることだった。

利休の挑戦した相手がみえて来た。20150129214303834_0005

 

 

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