和風建築・数奇屋へのこだわり

私はこれまで永らく、数寄屋・茶室建築に携わり、茶室や数寄屋造り、書院造りについての理解を深めてきましたが、知るほどに、これで十分と思う境地にはほど遠く、まだまだ知りたいこと、やってみたいことが今後の愉しみとして尽きることがありません。

これからも現代に生きる数寄屋建築、次代に受け継がれる数寄屋建築の設計を念頭に、日頃数寄屋建築に携わっている仲間たちと共に活動を続けてゆきたいと思っています。

数奇屋の魅力

古く京の公家の第宅に興った数寄屋――自然素材と素朴な架構美にくつろぎを見いだす美意識と手法が日本の伝統となり、室町期の書院や桃山期の茶室によって洗練され、公家では桂離宮・修学院、武家では聴秋閣・臨春閣(ともに現横浜三渓園内)、その他西本願寺飛雲閣などが残されました。その後も江戸のお茶屋文化、明治・大正期の近代化を経て、ますます豊かに発展を遂げて現代へと受け継がれています。

すでに、時が古材としてしまったこれらの建物が与える感銘は、今となってはデザインと架構美だけですが、それでも十分その魅力を伝えてくれます。

昔、都に住まいながら、山居に憧れた豊原統秋は楽の名人として宮仕えの身であったため、自分の住居を田舎造りとし、
山にても 憂からむときの 隠れ家や みやこの内の 松の下庵
と詠いました。室町時代の話ではありますが、「市中の山居」が話題となったことからも当時の人の数寄屋を求める気持ちが伝わってきます。

日々の暮らしを大事にしたい人であれば、共感できるのではないでしょうか。

松原設計室では東京を拠点に全国から、数寄屋造り建築設計のご依頼を頂戴しております。数寄屋造りは日本の伝統美溢れる美しさと、繊細で趣き豊かな外観、茶の湯や和に培われた使い勝手に通じたシンプルな設計が魅力です。
近年の建築では数寄屋造りというと、料亭をはじめ一部の店舗に見られるに止まりますが、松原設計室では御予算に合わせた数寄屋造りで建築設計致します。
数寄屋の美とは、材の高価よりは構成の美しさなのです。シンプルなデザインと、すっきりした室内空間で実用的な純和風の一戸建てを数寄屋造りで建てることが可能です。松原設計室では、全国各地へ出張も致します。数寄屋造りの魅力にご興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。